中学3年数学:資料の活用(統計・標本調査・代表値)


✨ 1. 単元の目的と意義

この単元では、身近なデータを収集・整理し、分析する力を育てます。データから必要な情報を読み取り、的確に判断する「統計的リテラシー」は、将来どのような職業においても役立つ重要なスキルです。 統計の基本は以下の4つに集約されます:
  • 代表値の理解(平均値・中央値・最頻値)
  • データのばらつきの把握(範囲・四分位範囲)
  • 資料の視覚的表現(度数分布表・ヒストグラム・箱ひげ図)
  • 標本調査の考え方(母集団・標本・推測)

✅ 2. 代表値の理解

▶ 平均値(Mean)

▶ 最頻値(Mode)

→ 最もよく出る値(=頻度が最大の値)

▶ 中央値(Median)

→ データを小さい順に並べたときの中央の値。 (偶数個の場合は、中央の2つの平均をとる)

📌 例題1

データ: 5, 8, 5, 7, 9, 6, 5
  • 平均値 = (5+8+5+7+9+6+5) ÷ 7 = 45 ÷ 7 ≒ 6.43
  • 最頻値 = 5(3回出現)
  • 中央値 = 並び替え → 5, 5, 5, 6, 7, 8, 9 → 中央 = 6

✅ 3. 散らばりの指標

▶ 範囲(Range)

▶ 四分位範囲(Interquartile Range)

Q1(第1四分位数)=下位25%の中央値、 Q3(第3四分位数)=上位25%の中央値。

📌 例題2

データ: 2, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 13, 14
  • 中央値(第2四分位数)= 8
  • Q1 = 中央より左:2, 4, 5, 7 → 中央 = 4.5
  • Q3 = 中央より右:9, 10, 13, 14 → 中央 = 11.5
  • 四分位範囲 = 11.5 − 4.5 = 7.0
  • 範囲 = 14 − 2 = 12

✅ 4. 資料の視覚的表現

▶ 度数分布表とは

階級 度数 相対度数 累積度数
0〜10 2 0.10 2
10〜20 5 0.25 7
20〜30 8 0.40 15
30〜40 5 0.25 20
  • 相対度数:度数 ÷ 全体の合計(20)
  • 累積度数:その階級までの合計度数

▶ ヒストグラム

→ 上記の度数分布表を、階級を横軸、度数を縦軸にして棒グラフ化したもの。棒と棒の間は空けない。

▶ 箱ひげ図

→ データの5数要約(最小・Q1・中央値・Q3・最大)を線分と箱で表す。

✅ 5. 標本調査と母集団

  • 母集団:調べたい全体の集団(例:全国の中学生)
  • 標本:母集団の一部(例:東京都の中学生100人)
→ 標本をもとに母集団の傾向を推測する。

📌 例題3

ある商品について、標本30人のうち6人が「満足」と回答。全体が100人としたときの予測人数は? → 6 ÷ 30 = 0.2 → 100 × 0.2 = 20人と予測できる。

✅ 6. 演習問題と解答

📌 基礎問題

問題1: データ:3, 4, 6, 6, 8, 9, 11 の平均値・中央値・最頻値を求めよ。 → 解答:平均 = 47÷7 ≒ 6.71、中央値 = 6、最頻値 = 6 問題2: 最大値が82、最小値が55のデータの範囲は? → 解答:82 − 55 = 27 問題3: Q1 = 45, Q3 = 70 のとき、四分位範囲は? → 解答:70 − 45 = 25 問題4: 50人中、標本調査で10人が「はい」と答えた。全体が200人なら何人? → 解答:10 ÷ 50 = 0.2 → 200 × 0.2 = 40人 問題5: 以下の度数分布表の累積度数と相対度数を記入:
階級 度数
0〜20 4
20〜40 6
40〜60 10
→ 解答:全体 = 20人
階級 度数 相対度数 累積度数
0〜20 4 0.20 4
20〜40 6 0.30 10
40〜60 10 0.50 20

✨ 7. 学習のポイントとまとめ

  • 代表値は「平均」「中央値」「最頻値」を使い分ける
  • 散らばりを表す四分位範囲は、外れ値に強い
  • 標本調査では「ランダムに抽出された適切な数の標本」が重要
  • グラフを使った視覚的な理解も必須

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【監修者】 宮川涼
プロフィール 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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ryomiyagawa Founder
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。
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