📘 中学2年数学:確率「基本的な確率の考え方」
✅ 1. 単元の概要と目的
「確率」は、ある出来事が起こる可能性の大小を数値で表す学問です。サイコロやくじ引きなどの身近な場面から、統計やデータ分析、保険、AIまで、現代社会に必要不可欠な考え方の基礎を学びます。
✅ 2. 確率の定義と公式
🔷 【確率の基本公式】
確率=起こりうる有利な場合の数起こりうる全ての場合の数\text{確率} = \frac{\text{起こりうる有利な場合の数}}{\text{起こりうる全ての場合の数}}-
確率は通常、**分数・小数・%**で表す
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確率の値は必ず 0以上1以下
🔷 【例:サイコロ】
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1〜6の目があるサイコロで、「偶数」が出る確率は?
(偶数:2, 4, 6)
✅ 3. 試行・事象・全体の見方
用語 | 意味 |
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試行 | 確率を調べる行為(例:サイコロを振る) |
結果 | 試行の1回で得られる1つの値(例:3の目が出る) |
全事象 | すべての可能な結果(例:1〜6の全ての目) |
有利な事象 | 調べたい条件を満たす結果(例:偶数の目) |
✅ 4. 確率の基本パターンと考え方
📌 ① 標準的な例題:さいころ・くじ
問題:1〜6の目のあるサイコロを1回振る。3の倍数が出る確率は?
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有利な事象:3, 6 → 2通り
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全体:6通り
📌 ② 玉を取り出す問題(無作為抽出)
問題:赤玉3個、白玉2個の入った袋から1個取り出す。白玉の確率は?
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有利な事象:白玉 → 2個
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全体:3 + 2 = 5個
📌 ③ カードや数字
問題:1〜10のカードが1枚ずつある。この中から1枚引いて偶数が出る確率は?
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偶数:2, 4, 6, 8, 10 → 5通り
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全体:10枚
✅ 5. 組み合わせのある問題
📌 ① 玉を2回引く(戻さない/戻す)
問題:赤玉3個、白玉2個の袋から2個取り出す(順番に)。戻さない場合、2個とも赤の確率は?
解き方:
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1回目:赤3/5
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2回目:赤2/4(1つ赤を取った後)
📌 ② サイコロを2回振る(組合せ:表)
問題:サイコロを2回振って、出た目の和が5になる確率は?
全事象:6×6 = 36通り
和が5になる組合せ:
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(1,4), (2,3), (3,2), (4,1) → 4通り
✅ 6. よくあるひっかけ・注意点
ミス | 解説 |
---|---|
全体の数え忘れ | 全事象は順列も含めて正確に数える |
「戻す」と「戻さない」の違い | 「戻す」は確率が変わらない/「戻さない」は確率が変化 |
重複して数える | 同じ結果の組合せがダブらないように |
✅ 7. 応用問題
📌 応用①:くじ引き問題
問題:10本のくじがあり、当たりが2本含まれる。1本引くとき、当たりを引く確率は?
210=15\frac{2}{10} = \frac{1}{5}📌 応用②:カード問題
問題:1〜20のカードから1枚引く。「5の倍数または偶数」が出る確率は?
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5の倍数:5, 10, 15, 20 → 4通り
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偶数:2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20 → 10通り
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重複(10, 20):2通り
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合計:4 + 10 – 2 = 12通り
📌 応用③:2枚引いて条件を満たす確率
問題:赤玉3個、白玉2個から2個を同時に取り出すとき、2個とも異なる色である確率は?
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全体:5C2 = 10通り
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赤1・白1の組合せ:3×2 = 6通り
🏋️♂️ 8. 練習問題(10題)
🔹 基本
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サイコロを1回振る。「2または4」の目が出る確率は?
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数字カード1〜15から1枚引く。「奇数」の出る確率は?
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白3、赤2の玉から1つ取り出す。赤が出る確率は?
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1〜10のうち、「3の倍数」の確率は?
🔹 応用
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くじ10本に当たり2本。2本引いて1本が当たりの確率(順不同)
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サイコロ2回振って、合計が7の確率は?
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カード1〜20のうち「3または5の倍数」の確率は?
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「戻して2回引く」場合、赤3、白2の袋で、2回とも赤の確率
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赤2、白2、青1の5玉から2個引いて、同じ色になる確率
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1〜12のカードから1枚引く。「2または3の倍数」の確率
✅ 9. まとめとポイント
ポイント | 解説 |
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確率の定義 | 有利な場合 ÷ 全体の数 |
全事象の正確な把握 | 組合せや順列に注意して数える |
計算ミス防止 | 必ず式を書いて確認する |
✅ 学習アドバイス
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まずは全体のパターンを丁寧に書き出す練習をしましょう
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サイコロ・カード・玉などの典型問題に慣れることが第一歩
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「戻す・戻さない」の違いを必ず意識して問題に取り組む
国立個別指導塾の場所
【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |