✅ 2. 一次関数とは何か?
「xの値に対応して、yの値が決まる関係」であり、その変化の割合が一定の関数を「一次関数」といいます。
🔷 一般式
y=ax+by = ax + b-
aa:変化の割合(傾き)
-
bb:切片(y軸との交点)
この式において、xの値を決めれば、yの値も一つに決まる。
✅ 3. 変化の割合とは?
変化の割合とは、xが1増加したときに、yがどれだけ変化するかを表すものです。
🔷 公式:
変化の割合=yの増加量xの増加量\text{変化の割合} = \frac{yの増加量}{xの増加量}これは一次関数の「傾き」aと一致します。
✅ 4. グラフの特徴
一次関数のグラフは、原点またはy軸と交わる直線です。
-
a>0a > 0:右上がりの直線
-
a<0a < 0:右下がりの直線
-
b=0b = 0:原点を通る
-
b≠0b \ne 0:y軸上のbの位置から始まる
✅ 5. 基本例題と解説
📌 例題①:y = 2x + 3 のグラフをかけ
解き方:
-
xにいくつかの値を代入して、対応するyを求める
例)x = -1, 0, 1, 2 のときのyを求める
x | y = 2x + 3 |
---|---|
-1 | 1 |
0 | 3 |
1 | 5 |
2 | 7 |
-
求めた座標(-1,1)、(0,3)、(1,5)、(2,7)をグラフに取り直線を引く
📌 例題②:変化の割合を求める
問題:点A(1,3)、点B(4,9)を通る直線の変化の割合を求めよ。
9−34−1=63=2\frac{9 – 3}{4 – 1} = \frac{6}{3} = 2答え:2
📌 例題③:一次関数の式を求める(a, bを決定)
問題:点A(2,5)、点B(4,9)を通る直線の式を求めよ。
解き方:
-
変化の割合を求める:
-
点Aを使って式に代入:
答え:y=2x+1y = 2x + 1
✅ 6. 一次関数の利用(文章題)
📌 応用問題①:速さの問題
問題:ある人が時速4kmで歩くとき、出発してからの時間x時間後の進んだ距離y kmを表す式とグラフを求めよ。
解答:
-
毎時4km進む ⇒ 変化の割合(速さ)a = 4
-
出発地点(距離0)からスタート ⇒ 切片b = 0
式:y=4xy = 4x
グラフ:原点を通り、右上がりの直線(x = 1 → y = 4, x = 2 → y = 8)
📌 応用問題②:料金の問題
問題:入場料200円+1時間ごとに100円かかる施設の料金y円を、利用時間x時間の一次関数として表せ。
解答:
-
基本料金:200円 ⇒ 切片b = 200
-
時間ごとに100円 ⇒ 傾きa = 100
式:y=100x+200y = 100x + 200
🏋️♂️ 7. 練習問題(10題)
🔹 基礎問題
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y = 3x + 1 のとき、x = -2, 0, 1 のときのyの値を求めよ
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y = -2x + 4 のグラフを作成せよ
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点A(1, 2)、点B(4, 8) の変化の割合を求めよ
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点A(3, 4)、点B(5, 8) を通る直線の式を求めよ
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一次関数 y=ax+by = ax + b が点(2, 5)を通り、a = 3 のとき、bの値を求めよ
🔹 応用問題
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毎分5円の通話料がかかる電話。通話時間x分後の料金yを表す式とグラフを求めよ
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初期値100cmの植物が、毎日3cmずつ伸びるときの成長の関数yをx日後で表せ
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一次関数y = ax + bが点(0, 5)、(4, 13)を通るとき、aとbを求めよ
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点(1, y)が直線y = 2x + 1上にあるとき、yの値を求めよ
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y = ax + bのグラフがx軸と交わる点の座標を、a = -3, b = 6 のとき求めよ
✅ 8. まとめとポイント
用語 | 意味 |
---|---|
傾きa | xが1増えたときのyの増加量(変化の割合) |
切片b | y軸との交点(x=0のときのyの値) |
一次関数の式 | y = ax + b の形 |
グラフの特徴 | 直線/右上がりまたは右下がり |
✅ 学習アドバイス
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必ず xにいくつかの値を代入して表を作る練習をしましょう。
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グラフ問題は、まず 切片と傾きを確認して、2点描けば必ず直線が引けます。
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文章題では「変化の割合=毎回増える量」と意識すること。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |