📘 中学2年数学:方程式「連立方程式」
✅ 1. 単元の概要と学ぶ意味
中学2年で登場する「連立方程式」は、2つの文字(未知数)を同時に解く方法です。日常生活の問題(速さ・割合・個数の問題など)や、将来の高校数学でも頻繁に使うため、基本の考え方と解き方を正確に身につけておく必要があります。
✅ 2. 連立方程式とは?
2つの一次方程式がセットになっていて、2つの文字(変数)に共通する値(解)を求めることが目的です。
◾ 例:
{x+y=10x−y=4\begin{cases} x + y = 10 \\ x – y = 4 \end{cases}この2本の式が同時に成り立つ xx と yy の組を求める。
✅ 3. 主な解き方(2通り)
▶① 加減法(式を足したり引いたりして片方の文字を消す)
🔷 基本手順:
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文字の係数をそろえる(必要があれば式をかけ算)
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式を足すか引いて、1つの文字を消去
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残った文字を解く
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その値を元の式に代入してもう一つの文字を解く
◾ 例題1:
{x+y=8x−y=2\begin{cases} x + y = 8 \\ x – y = 2 \end{cases}→ 式を足すと:
(1)+(2)→2x=10→x=5→x=5を(1)に代入:5+y=8→y=3(1) + (2) → 2x = 10 → x = 5 → x = 5 を (1) に代入:5 + y = 8 → y = 3答え:x = 5, y = 3
▶② 代入法(片方の式から一方を解いて、もう一方に代入)
🔷 基本手順:
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どちらかの式から1文字を他方の文字で表す
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それをもう1本の式に代入
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解いた文字を元の式に代入して、もう一方を求める
◾ 例題2:
{x+y=72x−y=1\begin{cases} x + y = 7 \\ 2x – y = 1 \end{cases}→ (1) より y = 7 – x
→ それを (2) に代入:
答え:x = 8/3, y = 13/3
✅ 4. 応用問題(文章題)
📌 応用問題1(鶴亀算)
問題:鶴と亀が合わせて10匹、足の数は28本でした。鶴と亀の数は?
解き方:
鶴を x 匹、亀を y 匹とする
{x+y=102x+4y=28\begin{cases} x + y = 10 \\ 2x + 4y = 28 \end{cases}→ (1) を2倍:2x+2y=202x + 2y = 20
→ (2)から引く:2x+4y−2x−2y=28−20=82x + 4y – 2x – 2y = 28 – 20 = 8
→ 2y=8⇒y=42y = 8 \Rightarrow y = 4
→ x=6x = 6
答え:鶴6匹、亀4匹
📌 応用問題2(代金の問題)
問題:りんごを2個とみかんを3個買って合計300円、りんごを3個とみかんを2個で合計320円。りんごとみかんの値段は?
式:
りんごをx円、みかんをy円とする
{2x+3y=3003x+2y=320\begin{cases} 2x + 3y = 300 \\ 3x + 2y = 320 \end{cases}→ (1)×3:6x+9y=9006x + 9y = 900
→ (2)×2:6x+4y=6406x + 4y = 640
→ 引くと:5y=260→y=525y = 260 → y = 52
→ x = (300 – 3×52)/2 = (300 – 156)/2 = 72
答え:りんご72円、みかん52円
🏋️♂️ 5. 練習問題(10題)
🔹 基本練習(加減法・代入法)
🔹 応用練習(文章題)
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ノートとペンを合わせて8個買って480円。ノート1冊とペン1本の値段を求めよ。
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クラスで男子12人、女子18人がいます。男子全員が英語、女子全員が数学の授業を受け、合計授業時間が480分。男子の授業時間は1人x分、女子は1人y分。x, yを求めよ。
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大人2人と子供3人で公園に入場すると1,800円。大人3人と子供2人で入場すると2,000円。入場料は?
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ある数の2倍と、別の数の3倍の和が31。2つの数の差は3。2つの数を求めよ。
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ある商品を2個と別の商品を3個で2,100円。同じ2品を3個と2個買ったら2,200円。商品の価格を求めよ。
✅ 6. まとめとアドバイス
ポイント | 説明 |
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加減法 | 係数をそろえて足し引きして片方の文字を消す |
代入法 | 1文字を式に表して代入して解く |
文章題 | 状況を整理して式を立てる力がカギ! |
✅ 学習アドバイス
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式の整理を正確に行うクセをつけましょう。
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加減法と代入法は状況に応じて使い分けが必要。
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計算ミスを減らすには、途中式を省略せず書くこと。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |